ひーらぐ日記

自然をこよなく愛する写真家?趣味や興味や楽しかったことだけ書く。

考察しながら読む少女終末旅行「14故障/15技術/16離陸」

二巻の後半である。飛行機をつくるイシイが登場する。二人目にして、最後の人間のゲストだ。

もっと多くゲストを出した方が、話を作りやすいし、説明もしやすいはず。ネタを考えるのも楽だろうに、頑なにでてこない。

人類が滅亡するにあたって、上に向かった人が少ないのは、何か理由があるのだろうか。宗教と関係があるのかもしれない。上の方には怖いAIやエリンギなどの神がいるとか。

 

イシイの回にも明確なテーマがある。それを語るのはやはりユーリである。絶望と仲良くなる、というテーマだ。

カナザワのときは、生きてることに意味はないけど、いいこともあるからそれを見つけるのが意味のようなことが言われた。

アンソロ集の番外編でも、どんづまりに居て絶望しかない世の中で何をすればいいのか問われている。

本編そのものが、人生と同じく結局は行き倒れる未来しかないような内容ではあるのだが。

ところが、二人が最終回後も生きていると考えると全く逆の見方ができる。絶望しかない世の中や人生に見えて、実は生きるヒントは周りたくさん隠れていて、本人たちが気づいていないだけなんだ、という。

本編を読むと、二人が生き残るためのヒント、というか生き残れると匂わせるアイテムがあちこちに隠れて存在するのだ。

 

それはともかく、絶望である。ユーリは図書館でも分かるように、上に行くことにこだわっていない。死ぬまでチトと居られればいいのだ。チトは、おじいさんの遺言から上を目指すことにこだわっている。

故障したのはミッションのようだ。エンジンにはなんとホンダと書いてある。

登場するイシイは走っている。どうやら、飛行機はラジコンで、電波の届く範囲は短いようだ。

イシイが持っているのはライフルスコープに見える。何気に、上着の下に拳銃を持っているが、警戒心はどこかで無くしてしまったようだ。

76空軍基地は基盤殻層の内部にあるのだが、文明のレベルは低い。出入り口の数字が未来文字なところから、文明崩壊後に再利用した施設のようだ。

 

15の絵を見ると、滑走路はシャッターの下にもあり、着陸用なのかもしれない。飛行機の上にあるクレーンにある水に似たマークは、雨音の多脚戦車にもあった。メーカー名なのか。

戦車には染の九が七になった漢字があったが何だか分からない。染がセンと読むから7000式?

手作りの飛行機はリベットと溶接で作るらしい。

イモはこの形で水耕栽培で地上部に実るらしい。だいぶ品種改良が進んでいるようだ。イシイの部屋にはタイプライターがある。コンピュータのようなものはない。

壁の図面には二人が見たツホイ95やB2爆撃機がある。wrightflyerと書いてあるのはライト兄弟が初飛行した機体だ。

三人が着ている作業服にはこうくうと書かれている。航路図にはchi?ecityとある。文字はときどき不明なものがある。アニメ版との設定の違いのようだ。

アニメ版だと飛行前に記念撮影をして、日付は3230年10月25日になっている。飛行機の翼の下面には、イシイ・チト・ユーリと書いてある。

飛行機は失敗してイシイは下に落ちていく。カナザワのときもそうだが、人々が何かしようとする試みはことごとく失敗したように描写される。