考察しながら読む少女終末旅行「17迷路/18調理/19記憶/20月光/21螺旋」
ここから3巻である。意識しているのか不明だが、21の螺旋で半分(後に加筆して増えるが連載時は)である。
生きるというのは同じ場所をぐるぐる回るような感じだが、少しずつ移動している、という主題らしい。
螺旋の次の技術で、再び「暗いー」から始まるのも。最終回が星空の下で二人で眠ることで第1話と対になっているのも、螺旋による繰り返しを暗示させている。
「迷路」はイシイから教えてもらった食料生産施設に行く回だ。管の中が道なのに、管の上を歩いて迷子になっているらしい。
高所恐怖症のチトにユーリは相変わらず辛辣である。ヘタクソとかヘイヘイとか心が狭いとか。チトが弱ってるときのユーリは生き生きしてる。
設定資料によると、無数のパイプからなる施設は文明崩壊前に作られたが、終末後は食料生産施設への道にのみ使われているらしい。そもそも何を通すパイプなのか、何故深いところまで続いているのか分からない。
管の中に管があったり、出口があることから、水の管だけでなく空調の施設でもあるようだ。
「調理」は食料生産施設でレーションを作る話である。久しぶりの食料調達だ。爆撃機の中からレーションを見つけたのが冬で、カナザワと会った頃にはまだレーションを食べていたし、写真の8月でのこり30日分、イシイの飛行機が飛ぶのが10月後半だから、食料に関しては本当にギリギリでつないでいるようだ。
いもはつる性なのでサツマイモ系かもしれない。二人が降りたのはシューターだから収穫したイモを降ろす用だろう。
イモを粉にする粉砕機。カッターとコンベアが同時に動くボタンとは恐ろしい。チトがカメラを持っているが、ユーリは不満なのだろうか。後にラジオを見つけたときは離さず持っている。
あとチトにぶたれるとユーリは喜ぶ。
料理は楽しそうだ。生地は1年分はないらしい。実際、次の冬で旅は終わる。次に食料を手に入れるのは潜水艦になる。
「記憶」の墓は、文明崩壊後、第二次文明の繁盛期に作られたもののようで、名前が未来文字だ。
二人はラジオを見たことがないようだ。文明崩壊後に復元された機械はあまり電子機器が使われていないアナログなものが多い。資源がなかったのか、電子機器を嫌っていたのか、両方かもしれない。
アニメでは地面にレールのようなものがある。ハコが取り出しにくいのは、専用の昇降機がどこかにあるのだろう。アニメでは寒そうにしていて、カメラの日付は12月8日である。
墓の名前は、いそがい-おかひじき?と書いてある。名前なのか?
「月光」は人を狂わせる力があるらしい。二人がいるのはたまにある斜めの連絡塔の外側に作られた第二次文明の住居である。建物はうってかわって粗雑な作りで、わりと物というかゴミがたくさんある。
ビールには3201か3291と書いてある。製造年なのか賞味期限なのか。あいかわらずチトはユーリに毒味させる。
酔うと陽気になるチト。「おかしくなった…」は、冒頭の「いつも不機嫌だ…」と対になってる。
踊る二人が、いつか月に行こう話すのが、伏線なのかヒントなのかは分からない。この後も二人が月に行くのを示すようなものが出てくる。
「螺旋」はよく見ると、二人がビールを見つけた斜めの連絡塔の奥にある細い連絡塔の中にあるようだ。昇降機には08れんらく?と書かれている。
死ぬのが怖くて生きられるか、生きるとはつまり螺旋とかユーリの迷言か真理かが出てくる。
またいつもの繰り返しが始まる、とともに次の回につながっていく。