ひーらぐ日記

自然をこよなく愛する写真家?趣味や興味や楽しかったことだけ書く。

考察しながら読む少女終末旅行「41吹雪/42宇宙/43図書/44喪失」

いよいよ最終巻である。ゲストは登場せず、チトのモノローグで終わる。二人の旅はこれまで、なんの目的もなく、流されて進んできた。

旅を出発したのは、おじいさんに逃げるように言われたからだ。上を目指すのもそう。おじいさんが二人を逃したのは、戦闘で死なせるのが嫌だったのか。とにかくできるだけ長く生きていられるように逃したのである。だからゴールもない。食料と水と暖かい場所を探し、魚が落ちてくれは上に登って探し、どこか人がたくさんいて食べ物がたくさんある場所があればいいと旅をしてきた。その後エリンギより都市の生き残りが二人しかいないことが分かり、最上階を目指すことに。第6基幹塔を登り、最上階の手前まで来た。

高度は高くなり、雪と氷の世界となる。停止している超大型の建設機械が並んでいる。つくりかけの基盤のようだ。季節は春に向かっているはずであるが、雪はかなり深い。チトによると都市の外壁に近いようだ。昔の人はなぜこんな大きな都市を作ったのだろう。人口が増えすぎて階層が必要になったのか。それだけにしては高すぎる気がする。

原潜が地上にあったことも気になる。やはりかつて海水面が上昇して都市の下の方は水没していたのだろうか。それなら逃げるように上へと都市を作ることや、パイプだらけの施設も説明がつくのだ。

奥に見える坂が地図の斜面だろう。手前の穴はロケットの発射場につながっていた。ロケットはパイプが繋がっていることから、液体燃料タイプのようだ。古代文明の末期でも宇宙へ行くのは原始的な方法らしい。電子機器のほとんどは死んでいるのだから仕方ない。

太陽系の模型には軌道シミュレーション西暦云々と書いてある。文字は古代文字だ。地球から飛び立ったロケットか3つあり、軌道が表示されている。1と2は月軌道前後でバツが書いてある。制御室には書類があり、方舟計画の中止に伴う…計画、火?星基地通信途絶、予想、中止、などの文字が見える。

方舟計画とは、滅びゆく地球から人類が脱出する計画だろう。ロケットはせいぜい軌道上に出るくらいの規模だから、途中で乗り換えるのかもしれない。OSSPとは、外宇宙探査船(Outer space servey plane)のことだろう。ただその計画も中止されたようだ。何故だろう。03は成功したように見えるが。他に何か良い方法があったのだろうか。結果としては、方舟計画は中止されたが、人類は生き延びることに成功するのだ。

ロケットの手前の軌道図には、3本の軌跡の他に点線が1本ある。これが4番目の予想軌道だろう。ロケットはユーリが蹴ったので倒れたのか、チトはそう思っているようだ。倒れた場所は二人から少し左だった。また死にかけたとは、前にユーリが運転したときのことだろうか。チトが見つけたのは、なんとボイジャーのゴールデンレコードである。書いてあるのはレコードの再生方法や、太陽と近隣の恒星の位置関係などだ。ということは、探査船には人が乗らない予定だったのか。ロケットには外太陽系と書いてある。Outer solar-system servey planeかもしれない。

 

図書館は坂の途中にあるようだ。本は古代文字、つまり日本語で書いてある。裏に機械の変な模様があるのは、機械が整理してた名残なのか。チトが拾った本は、意志と表層としての世界II、建築幾何学史、たぬきの生態、おくち?、魚、冷たい宇宙など。コーヒーは補助栄養剤らしく、ミネラルなども入っているのかも。

ユーリはここに住もうかと言っている。飛行機のときもそうだが、ユーリは別にどこに行かなくてもいいじゃんと思っているのだ。目的のなくても人生を生きていけるタイプである。

おじいさんの本について述べられる。任務とは何だろう。恐らく施設のメンテナンスに必要な物資を集めることだろう。ここから、テーマにつながる。生きるとは何か、なぜ人々は生きて何かをするのだろう、何もしなくてもいいはずなのに。ただ食べて寝て生きてるだけじゃなくて、何かをせずにいられないのか。それはそういう性分だから、人の性だというのが回答である。そういう気持ちの渦みたいなものが体の中にあって動いている、と言いたいのだろうか。

手前と言っていたのですぐ最上階に着くのかと思えば、かなり距離が残っているようだ。履帯に鉄骨を挟んで切ってしまったようだ。見たところシリンダーがひび割れ、カムシャフトが曲がってしまったようだ。2人が風呂に入っている背景にある巨大な歯車はなんだろう。何かを動かす装置の部品であるとは思うのだが。