ハクメイとミコチの感想〜第38話「旅人の装い」
※登場人物の会話形式でお届けしています
ハクメイ「それにしても2位とはな」
コンジュ「惜しかったわね」
セン「十分すごいと思うんだが」
コ「ミコチは落ち込んでるの?何か美味しいものでも食べさせたら?」
セ「それで機嫌が直るのは君だろ…」
ハ「ミコチは服のことになるとこだわるからな」
コ「そんなに服が好きなら仕事にすればいいのにねぇ」
ハ「こだわり過ぎて商売には向いてないな」
セ「同意する」
コ「あらそうなの?」
***
セ「優勝より賞品のヒロムタ綿が欲しかったんじゃないか?」
ハ「確かに。また因縁が増えたなぁ」
コ「じゃあ、ハクメイが買ってあげたら?」
ハ「…つ、次の仕事が入ったらな。その前に食費を払わないと…」
セ「君が旅に出るのも相当先だな…」
ハ「そういえばミコチが言ってたな。優勝できなかったら旅に出ずに慰めて、って」
コ「仲が良いこと。ならミコチは嬉しいんじゃないの?ハクメイとずっと一緒にいられて」
ハ「だと、いいんだがな」
コ「わたしは嬉しいわよ。センだってそうでしょ?」
セ「また君はそういうことを真顔で…」
***
ハ「やっぱりナイトスネイルの服の方が出来が良かったのか?」
セ「わたしに聞かれてもな…」
コ「うーん、色っぽさが足りなかったとか」
ハ「失礼だな」
セ「なら君がモデルをやれば良かったんじゃないか?」
コ「え〜。わたしはもっと柔らかいデザインがいいわ。ああいうアクセントの強い服はハクメイだから似合うのよ」
ハ「わたしだから似合う?」
セ「なるほど、そういえば私の服を作るときも、私に似合うかどうかばかり考えていたな。審査にそういう観点がある可能性はあるな」
***
トレモ「確かに審査員は、その服を自分が着たらどうかってことは考えるだろうね」
ハ「そうか…」
コ「ミコチのハクメイ愛が強すぎたのね」
ト「だけど、それが審査に与える影響はわずかなもんさ」
セ「そうなのかい?」
ト「今回のコンテストは、どれも出来不出来からすれば優劣つけ難い作品だったね。そういうとき最も差が付くのは知名度さ」
三人「ああ…」
ト「コンテストによっては、対策として匿名で審査することもある」
ハ「なんで今回はそうしなかったんだ?」
ト「順位をつけることが目的じゃないからさ。コンテストに向けてデザイナーがいい服を作る、普段以上の努力と想像力で。そしていい作品が集まって盛り上がる。それが今回のコンテストの成功さ」
セ「でもコンテストの参加者は、順位で一喜一憂するものだろう」
ト「それにナイトスネイルだけど、当然今回のコンテストの結果を見るだろうね。ミコチの作品もね」
ハ「おお…」
セ「そうか、ミコチはナイトスネイルのファンなんだからな。それは嬉しいはずだぞ」
コ「そうかしら。エントリーもせずに一位になって無頓着な方もいるようですけどね」
ハ「そんなこともあったな…」