ハクメイとミコチの感想と考察〜第6話舟歌の市場
【ネタバレ】漫画読んだかい?い〜話が入ってるよ。
マキナタから離れて同じヒノチ国のアラビという港町が舞台となる。アニメだと、第1話で楠の家、第2話でこの話となるため、マキナタの街より先に出てくる。このためアラビがマキナタの一部というような誤解が出ているようだが。
ポートラウンジ小骨のマスター、マヤ(33)が住んでいるのはアラビの街の積み木市場。マヤの母親であるキュウカは、この市場の創設者の一人であり名士でもある。現在は放浪の旅をしているらしい。
ストーリーは、ミコチがハクメイと買付に来て、サイフを落とし、アラビの街をハクメイを紹介しながら探す、という内容だ。
【ハクメイはお腹が減っているようだ】
積み木市場を歩くハクメイとミコチ。ミコチの仕事である保存食作りの仕入れに来ているようだ。ハクメイはミコチの仕事を手伝っているようだ。
食堂街は空きっ腹によくない通りらしい。ハクメイはいつもお腹を空かせている。
ミコチはマスターがうるさいと言うが、登場するマヤは落ち着いた大人の女性である。ミコチに比べて、という意味だろう。
マヤがミコチに対し、今回も仕入れかい?と言っている。ミコチの仕事が明らかになるのは次の回なので、初見では想像するのみだ。後から読み返すと、ミコチが夢品商店の屋台を手伝ってたり、家が爆発する前の買い物がやけに大量だったり、気づくことが出てくる。
ミコチがサイフを無くしたことに気づく会話だが、三人でまとまって会話することなく、基本一対一である。最後に至ってはハクメイは店の中を物色し、会話に加わってない。
この後、場内市場で味付けについてミコチが質問責めさせるときは、ハクメイはわざわざミコチから離れる。
ハクメイは気を遣っているようだ。
ミコチはハクメイと一緒にいると、何だかんだでイニシアチブを取られてしまう。しかしアラビ訪問ではミコチが主役なのだ。ハクメイはミコチのペースで物事が進むように一歩引いてるように見える。
中央広場で滑車を使って進むときに、ハクメイが、こんな風にミコチにリードされるのは新鮮だと言っている。
この台詞がこの回の肝だと思うのだが。
それまでの回は、ハクメイがリードしてミコチが引っ張り回されてる感があったので、二人の関係はそれだけじゃないんだよーと言いたいのではないか?
ちなみにこの台詞、アニメ第2話では意味が分からなくなるのでカットされている。
繊維市場で、ミコチの新しい特性が披露される。後にミコチの趣味が服作りであることが分かる。
ハクメイがミコチにスカーフを買って巻いてあげるラブラブっぷりを見せてくれる。
港での会話、騒がしさに対する二人の見解が真逆。ハクメイの、なるほど分からん、の台詞が二人の関係をよくあらわしている。やっぱり私たちは、考え方も感じ方も違うのだな、と。
サイフが見つかって、お酒を買って小骨に戻るときは、もうハクメイのリードに代わってる。やっぱりしっくりくる。
【ハクメイの存在感】
この回はミコチ主役回。ミコチのホームでミコチがリード役なのだが。ハクメイの存在感が大きく、黙ってても場を喰ってしまう。
そのせいか、次の回では、ハクメイは留守にさせられている。
ハクメイは動かしやすいキャラだし、ミコチはツッコミにスパイスが効いている。なかなか定位置を変えるのは難しそうだ。
ヒロムタ綿の場面で、ミコチがボケてハクメイが突っ込んでいるシーンがあるが、役柄が入れ替わると違和感がハンパない。
この後のミコチ回は、ハクメイの存在感に負けないようにミコチがキャラ変する。
【アニメ】
アニメでは第2話になり、漫画と大きく順番が異なっている。ミコチ主人公回を持ってきて、ダブル主役であることをアピールするため?か、アニメ第二回を付喪神でまとめるため?
漫画では省かれているが、アニメではハクメイとマヤが会うとき、お互いに挨拶している。
ハクメイがあんまりお腹すいたって言わない。
生臭通りの人通りが少ない。
滑車のシーンがない。
ビールを飲んで、すっからかんで帰る、がない。ミコチの貴重な上目遣いシーンなのに。
舟歌に合わせてハクメイが法螺貝を吹き、ミコチが歌う。
財布が見つかってから、お酒を買うシーンの代わりにマグカップのシーンが追加されている。
【すっからかんの意味】
私は今日はハクメイと遊びに来て、すっからかんになって帰る、それでいいでしょ。
ミコチがそう言う意味は、ハクメイと最初のアラビ訪問が、財布を無くした嫌な記憶ではなく、ハクメイと遊んだ楽しい思い出にしようという意思表示である。
今回の主役は私よ!という感じでカッコよく決めて締めるのだが、直後にサイフが出てきて、結局ハクメイに仕切られてしまう。
二人の関係は、星空とポンカンの全部屋根や、仕事の日のミコチの嫁っぷり、今回のスカーフと確実に親密になってる。一方で、お互いの違いを再認識する回にもなっている。
最初の頃は性格が全く違う二人が、仕方なく同居してたという風だったのが、いろいろな経験をするうちに仲良くなって、欠けがけのないパートナーになってくる、その上での、ハクメイの、なるほどなぁ、が重く聞こえるのだが。
アラビの街と同じく、二人の関係が目まぐるしく交代して、結局もとの定位置に戻る、そんな回であった。