ハクメイとミコチ第25話の感想
「大根とパイプ」の感想
※二人の会話風に構成しております。
ハ「なかなか、癖のある姉ちゃんだったな…」
ミ「あはは、はぁ。結婚の報告を聞くだけなのに、疲れたわ」
ハ「それなんだがな…本当にそれだけだったのかな」
ミ「ん?」
ハ「これは私の勝手な想像なんだがな…」
***
ミ「風呂吹き大根の作り方を教わりに来た?」
ハ「そう考えるとな、いろいろ辻褄があうんだ」
ミ「例えば?」
ハ「あの大根の量とか」
ミ「まさか丸ごと買ってくるとはね」
ハ「失敗してもいいように多めに買ってきたんじゃないか?」
ミ「まさか」
ハ「醤油だってそうだろ。大根は面倒だから切り分けてもらわなかったとしても、醤油2樽は変じゃないか?」
ミ「確かに…」
ハ「それに姉ちゃん、やけに素直に手伝ってたじゃないか」
ミ「確かに、アユネらしくない…」
ハ「ミコチが料理してるとこ、じっと見てたぞ」
***
ミ「…夜にアユネが言ったのよ。全部本当だって。スランプだったのも、風呂吹き大根が食べたかったのも、私に会いたかったのも」
ハ「ミコチに会って風呂吹き大根の作り方を教えてもらいたかったなら、そうじゃないか?」
ミ「スランプは?」
ハ「結婚して他人と一緒に暮らすんだ。不安にもなるさ」
ミ「他人と一緒に…」
ハ「どした?」
ミ「アユネが、ハクメイはよく私とずっと一緒にいて平気だって。あのときは失礼なやつと思ったけど…」
ハ「一般論だったわけだ。結婚相手とどうやったらずっと一緒にいられるか、悩んでたんだろ」
ミ「胃袋を掴むって…そういうことか。そういえば料理教わろうかって言ってた」
ハ「なんだ、言ってたんじゃないか」
ミ「そういうわけにもいかない、か。なるほどね」
ハ「ん?」
ミ「でも、なら素直に料理教えてくれって言えばいいのに。本当ひねくれてるんだから」
ハ「それなんだがなぁ。素直にそう言って、うまくいってたかな?」
ミ「え?」
ハ「途中で教えるの、嫌になったんじゃ…」
ミ「確かに…」
***
ミ「私が出て行ってから、やけに昔のことを思い出す、って言ってたのも、本当なのかな」
ハ「実際、思い出してたじゃないか」
ミ「え?」
ハ「ミコチの小さい頃の話、してたろ?」
ミ「…」
ハ「あれ、からかってたわけじゃないと思うぞ」
ミ「そうかもね。昔とは違うか…」
ハ「姉ちゃん、随分とミコチを頼りにしてたんだな」
ミ「姉なんだから、自分が頼りにされるようにしなさいよ」
ハ「なるほど、だからミコチは怒るわけだ」
ミ「…わたしの考えがおかしいのかな」
ハ「どうかな。だが私だって、ミコチに世話になってばっかりだぞ」
ミ「それは、そうでもないと思うけど。わたしだってハクメイを頼りにしてるし」
ハ「なんだか照れるな」
ミ「恥ずかしいからやめて」
ハ「ミコチの得意分野でミコチに勝つのは大変だよ」
ミ「う…」
ハ「ところで、胃袋掴むって、なんだ?」
ミ「ああ、アユネがね、私がハクメイの胃袋を掴んでるから、うまくいってるんだって」
ハ「ええ?」
ミ「自分ではそう思う?」
ハ「思うけど…普通その表現は夫婦間で使うのでは…」
ミ「え?…」