ひーらぐ日記

自然をこよなく愛する写真家?趣味や興味や楽しかったことだけ書く。

発達障害と不登校1「発達障害の疑いをかけられたら」

「あなたは発達障害じゃないの?」

そう言われて、不愉快にならない人がいるだろうか。自分の親しい人、まして親に言われでもしたら、ショックを受けない人はいないだろう。

 

それが精神病や障害者に対する偏見だと理解していても、世の中には他人を見下すために「精神障害者」や「アスペ」などの言葉が使われているのは事実であり、それに対して怒りが沸くのも当然である。

 

ここでは、発達障害の疑いのかけられた場合に、どのように反論するべきかを述べたいと思う。ただし、私は発達障害の専門家ではないし、精神科の医師でも、心理学者でもない、屁理屈をこねるのが好きな素人である。そして専門家が、視野の狭さによって本質を見失っているのではないかという疑惑を抱くようになった。その内容についても説明したい。

 

発達障害が何だか分かっているの?」

 知人に「発達障害とは何か説明してごらん」と聞いたところ、「遺伝子の欠陥が原因の精神病でしょ?」と答えられたことがある。残念ながら、これが「発達障害」という言葉に対し、世間一般が持っているイメージであろう。発達障害の疑いをかけられたらまず、「発達障害ってなんなのか知ってるの?」とまず聞いてみて欲しい。ほとんどの人は知らないで、イメージで言葉を使っているはずだ。

 

 文部科学省のホームページには、『発達障害者支援法には「自閉症アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害学習障害注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています』と書かれている。

 

ここで少し疑問に思って欲しい。なぜ厚生労働省のホームページではなく、文部科学省のホームページなのだろうか。これは発達障害主に法律用語、あるいは教育用語として使われ始めたからと思われる。つまり教育現場で、学習が困難な子供を共通点によってグループ分けして、支援のために法律上の分類名を付けたにすぎない。しかも原因はほぼ不明。

 

つまり発達障害とは、支援のための便宜上の分類であって、病名ではなく、原因も不明で、なんだかよく分からないけど、いろいろな対処法で支援していきますよと法律で言っているにすぎないのである。今のところは。

 

そして「低年齢で発現」「脳機能の障害」というところにも注目して欲しい。つまり思春期になって精神のバランスが一時的に崩れることがあるが、それは発達障害とは直接関係ないことが多いのである。

 

発達障害という言葉は適切か?」

まず、他人から言われて不愉快になるような言葉は、それだけで不適切だと思う。「身体の不自由な方」という呼び方もあるように、もう少しやわらかい言葉に変えて欲しいものだ。

 

それに「発達障害傾向」とか「軽度発達障害」「大人の発達障害」などと、ただでさえ曖昧な定義を広げるような言葉の使い方もしないで欲しい。

 

さらに根本的問題として、発達障害という言葉が、ものの本質を捉えるのに足枷になっているのではないかという疑問を感じている。

 

発達障害の本質とは」

発達障害の定義を意訳すれば「脳障害(?)によって普通の人と同じような行動が取れない症状」である。では「普通」とは何だろうか。普通の人だって、異常な行動を取るときはあるはずだ。特に学校現場では「普通の子と同じように勉強ができない」=知的障害か発達障害と考えていないだろうか。

 

逆に言えば、「脳障害はあるけれど、普通の人と同じような行動ができる」人は、支援や研究の対象にならない。問題を抱えていても、勉強ができる子は学校で問題視されない。その辺に本質を見えにくくする原因があるように思える。

 

ダーウィンの進化論では、「自然淘汰によって種が進化する」と理解している人が多いだろう。実際には間違っている。進化の原因は突然変異などである。自然淘汰は、進化の結果起こった現象にすぎない。

 

同じことを発達障害に当てはめてみよう。発達障害の結果は「行動の異常性」である。では原因は?

その答えが簡単に分かれば苦労しないと専門家の人は言うだろう。だが私は考えた。専門家の人々は発達障害の人しか見ていないのではないだろうか。むしろ答えは「普通の人が異常な行動をするのはどのような場合か」という問いの中にあるような気がした。

 

発達障害の疑いをかけられたら」

 ここまで読み進めていただければ分かるように、発達障害とは定義も原因も曖昧な、研究途上にあるものだということだ。専門家であっても「この人は発達障害だ」と断定できるものではない。「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないけど、本人が大変だから社会生活を快適に送れるような支援をしましょうね」という程度のものだ。つまり「あなた発達障害じゃないの?」と言われたら「調べれば分かると思うけど、発達障害かどうかの判断は専門家でも難しいのよ」と答えるのが正解である。

 

次の記事では、発達障害の原因の探求と、擬似発達障害とでも呼ぶべき成功体験によるすりこみについて述べたいと思う。