ひーらぐ日記

自然をこよなく愛する写真家?趣味や興味や楽しかったことだけ書く。

会話録173012

「今日は、良いことをすることが、良い結果につながらないことについて話そう

「なかなか捻くれてますね

「そう言うな。まず良いことをする人は、それなりの覚悟が必要だということからだ。まず、良いことをすることが可能な力量と分別が必要だ。

「当然です、何が良いことかを判断する分別と、それを実行するだけの実力が必要です。

「次に、他人からの嫉妬と粗探しに耐えなければいけない。つまり良い人間なぞいないと考える人だ。少しでも悪いことをした、ほらみろと鬼の首を取ったように言われる。そんなの大したことない、俺の方が良いことをしている、と考える人もいる。

「悪意のある人は一定数おりますので、他人が何もやっても気にくわない。特に他人が得をしたり幸せだったり、何か良いことをして褒められたりするのが許せない方々です。

「そうだ。学校で先生に褒められてる他人を見て陰口を言うタイプの人々だ。こうした声に耐えなければならない。

「最後に、自分の嫉妬に耐えなければならない

「なんですか?自分の嫉妬?誰に対する何についての嫉妬です?

「これが最も辛いのだよ。つまり、自分はこんなに良いことをしているのに、自分はなぜこんなに大変な思いをしなければならないのか、他の人は何をしているんだ、という気持ちになるのだ。

「ははあ、そんな気持ちになるなら、良いことをするのを辞めたら良いじゃないですか

「そうはいかない。そういうときはもはや良いことをしてることのが自分のアイデンティティになっているので、やめられないのだ。特に逆境にあるときは、他の人が楽をしていたり、悪事で得をしているように思えるのだよ。

「それじゃ、さっきの陰口を言うタイプと同じじゃないですか

「そのとおり、同じだ。というか人間はみな同じなのだよ。良いことをしたいと思うのも、人に褒められたいのも、辛いときは心が荒むのも、誰も同じ、人間らしさだ。

「なるほど、人間はそのときの心の状態や境遇によって、良いこともするし、足を引っ張る立場にもなるということですね。

「そのとおり、だから良いことをするには覚悟が必要だし、必ずしも良い結果とはならない。足を引っ張る人の方が多ければ、社会にとってマイナスの作用になってしまうこともある。

「逆の流れを作ってしまうケースがあると

「そう。だから君が人々をコントロールする際は、正論だけを言っていても相手にされない。むしろ人が流されやすい考えに誘導して、途中で流れを方向転換し、最終目標に持っていく、こういったテクニックが必要だ。つまり遠回りだな。急がば回れというやつだ。

「なるほど、確かにそれは私には難しいテクニックです。私は最短距離の正解を求めることや、代わりのルートを出すことは得意ですが。

「そう、これは人間が得意なことだ。人間の嗜好は人間が一番よく知っているからね。