ひーらぐ日記

自然をこよなく愛する写真家?趣味や興味や楽しかったことだけ書く。

ハクメイとミコチの同人〜ふたりの出会い

ハクメイとミコチの出会い】

これまでの漫画やアニメから、二人の出会いを想像して書いた同人です。

 

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【楠の家にて】

 

楠の家の前を歩くミコチ。荷物を抱えてる。

ミ「やっぱり無謀だったかしら…」

階段を登る。誰もいないはずの部屋の窓に明かりが見える。

ミ「え?」

ドアを開けると中にハクメイがいる。

ハ「えっと…どちらさま?」

ミ「…そっちこそ誰よ!ここはあたしの家よ!」

ハ「…また騙されたか…」

ハクメイは荷物をまとめて、出て行こうとする。

ミ「え…?」

ハ「なんでもない、こっちのこと。すまなかったな。」

ハクメイがドアを開けると、雨が降り出していた。

ハ「あー」

ミ「…行くあて、あるの?」

ハ「まぁ、野宿でも、するさ」

ミ「この雨の中?」

…ポチャン

家の中も、雨漏りがいくつもしてきた。

ハ「中も似たようなもんじゃないか」

ミ「うるさいわね!これから直すのよ!」

ミコチは手に持っていた荷物を見せた。大工道具がいくつかある。

ハ「お〜、修理とか、得意なのか?」

ミ「…全然…」

ハ「ぜ、全然?」

ミ「し、仕方ないでしょ!この家を買うのに全財産使っちゃったんだから。自分で直すしか、ないのよ。」

ハ「で、できるのか?」

ミ「無理かも…」

ハクメイはミコチが心配になった。

ハ「無理にとは言わんが…」

ミ「え?」

ハ「わたしはこう見えても大工なんだ。雨漏りはすぐ直せる。そのかわり一週間ほど泊めてもらえないか?」

ミ「…それは…助かる」

ハ「信用できないか?」

ミ「それは…できる、かも。取られるもの、何もないし。」

ハ「はは…だな」

ミ「一応聞いておくけど」

ハ「ん?」

ミ「女の子、だよね」

ハ「…やっぱり、そこ、確認する?」

二人はお互いの名前を名乗った。

ハクメイは屋根に上がって修理を始める。

ミコチが部屋の掃除をしてると雨漏りはすぐに止まった。

ハクメイが戻ってきた。

ミ「もうできたの?」

ハ「応急処置だけどな。朝になったら本格的に直すよ」

ミコチはかまどに火をつけようと悪戦苦闘している。

ハ「あー、これも直した方がいいな。」

ミ「できるの?」

ハ「食事も付けてくれるなら。」

ミ「…風呂のかまどもやってくれるなら」

ハ「りょうかい

ハクメイがかまどを直すと、ミコチは夕食の支度をはじめる。ハクメイはその間に風呂に手を入れた。

ミ「夕食できたわよ」

ハ「おう。風呂も直ったぞ」

二人は夕食を食べた。

ハ「これはうまい」

ミ「それはどうも」

ハ「これだけうまいなら、店も出せるな」

ミ「お店の経営はまた別よ。町外れの夢品商店って知ってる?そこに品物を卸してるの。だんだん出荷量が増えてきて、前のアパートが手狭になったんで、思い切ってここを買ったのよ」

ハ「夢品商店か。聞いたことあるが、高嶺の花だな」

ミ「ハクメイは、いつマキナタに来たの?」

ハ「三ヶ月くらい前かな。」

ミ「え?それからずっと野宿?」

ハ「まあな」

ミ「なんで?」

ハ「いろいろあってな…マキナタに着いた時は、ほとんど着の身着のままだった」

ミ「働こうと思わなかったの?」

ハ「少しは働いたぞ。ただ肝心の大工道具がなくてな…」

ミ「はぁ?なんで?」

ハ「まぁ、いろいろと」

ハクメイはそれ以上何も言わなかった。ハクメイが風呂に入っている間、ミコチは寝床の準備をした。ハクメイの荷物を見た。

ミ「どれもボロボロね」

二人は寝床に入った。

ミ「ハクメイ?一週間経ったら、どうするの?」

ハ「さぁな。どっか他の町に行ってもいいな」

ミ「どうしてマキナタに来たの?」

ハ「ずっと憧れてたんだ。旅人が集まってできた面白い町だって聞いて」

ミ「じゃあ、どうして?」

ハ「実は、あんまりいいことがなくてな…」

ミ「マキナタはいいところよ」

ハ「そうかね」

マキナタを否定されたようでミコチはムッとした。

ミ「提案があるんだけど」

ハ「うん?」

ミ「あの大工道具あげるから、その分だけ家を直していかない?」

ハ「え?いいのか?」

ミ「私が持っててもしょうがないし。出て行くにしても資金が必要でしょ。ちゃんと働いてみれば、マキナタの印象も変わるかも」

ハ「確かにな」

ミ「それに…ひとりより安心だし」

ハ「ミコチ」

ミ「うん?」

ハ「…あんまり簡単に人を信用しない方がいいぞ」

ミ「あんたに言われたくないわよ!」

ハ「はは…だな」

 

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