ひーらぐ日記

自然をこよなく愛する写真家?趣味や興味や楽しかったことだけ書く。

考察しながら読む少女終末旅行「30過去/31接続/32仲間」

4巻の後半に入る。4巻におけるゲストは、エリンギと呼ばれる知的生命体だ。エリンギが生物由来なのか機械由来なのかは不明だが、3巻で「機械も生命のようなもの」としているのはある種の伏線とも考えられる。

 

給油施設は1巻のものとあまり変わらない。ぬこが燃料(軽油なのか?)を飲む描写がある。自律機械が進化した生命体であると考えられる。

風力発電施設は看板から古代文明の遺産のようだ。基盤の屋上にあるようだ。昔は森があって植物も動物もたくさんいて生態系ができていた、それがどうして今みたいになったのか…二人は魚のとこの自律機械の話をあまり聞いていなかったようだ。

二人が発見したのは戦略原潜である。核兵器を搭載した弾道ミサイルを多数積んでいる。設定資料では、核融合炉で動いていると書いてある。雪が積もっているのは、ここが基盤の端っこの方で上の階層がないからである。アニメでは日付は3231年3月12日となっている。

なぜ基盤の上に原潜があるのだろうか。二つ可能性がある。ひとつは原潜が自力でこの場所にたどり着いた可能性。とすると、この場所はかつて水の中にあったことになる。古代文明が単に衰退したのではなく滅亡した原因が海水面の上昇であると推測すると理解しやすい。

もうひとつは、何かに運ばれてきた可能性。大型の建設機械ならできるかもしれないが理由が分からない。

原潜の入り口の下はCICのようだ。内部の文字は古代文字。放射能マークは現代のものと同じ。L4とは気密レベルのことであろう。二人の身長に比べて施設は大きめに作られているようだ。

ベッドでチョコを発見したあと、再び中央制御室に戻っているのが分かる。チョコのパッケージには、高カロリー高保存チョコレートと書かれている。

アニメでは日付が3月23日になっているが、10日以上中を探索していたのだろうか?

あと探索中のセリフにミスが二つある。原潜の中のテーブルにいるときと、エリンギがヌコを見たときの反応のところである。

カメラが原潜のコンピューターと接続され、中のファイルが表示される。カメラはこの後にエリンギに食べられてしまうのだが、内部データは原潜のメモリに残った可能性がある。写真には、家族写真や子供の成長記録、友達との記念写真、犬や風景などに混じって戦争や戦闘機?大型兵器、政治家?、神さまの像を見上げる人々、天気予報?、パイプで海水を組み上げる装置?、何かの装置の前に立つ人々などがある。

機械進化論研究会の第12回記録では、学生服を着た少女3人が、自律機械に似た小型機械が製造プログラムに侵入して強制的に自己増殖を始めたことを報告している。ここを見ると、ターミネーターのように機械の反乱によって古代文明が滅亡したかのように思わせる。しかしどうも違うようだ。

これまでで最強の人型大型兵器が、人が乗って操作する機械だった点がその理由だ。また魚のとこの自律機械が、人が喜ぶと嬉しくなる共感機能を持っていたことも気になる。

アニメで明確になってることは、戦争は隣国との間で行われたこと、宣戦布告したこと、死者がら5億人以上いたこと、多脚戦車は足が4本だった、人型大型兵器が街を焼いていること、電磁波爆弾が使用され、電子機器が利用できなくなったこと、地球に落下する何か、都市間や階層間の連絡が途絶えたこと、などである。古代文明滅亡時にネットワークがなくなり、それ以降は生き残った人々や機械が自律して行動していたようだ。

アニメでは、5巻に描かれるおじいさんとの回想シーンがここで出てくる。アニメを作っている時点で漫画が書かれていなかったと設定資料にある。なので漫画とアニメでは明確に違いがあり、二人が旅立つときの年齢がアニメでは幼いが、漫画では青年となっている。

珍しいユーリのモノローグがある。ユーリは何も考えていないように見えて実は普通にいろいろ考えていて、ただ嫌なことは意識的に忘れたり考えないようにしたりしているようだ。でなければこの絶望的な状況で狂ってしまうだろう。むしろチトの方がおかしい。

大きなエリンギが登場する。謎の石像がエリンギであることが明確になる。チトがナイフを持っているのは、腹を裂くためであろう。追いかけた先は入り口ではなく、発射孔である。

エリンギから得られた情報は多い。エリンギは武器や燃料などのエネルギーを分解し安定化させる。エリンギは人間の言語を知っている。しかし人間と会話することは想定外だったようだ。都市の中で生きている人間はもう二人しかおらず、都市機能を停止させたあとは別の都市へ移動する。全ての都市を停止させると眠りにつく。

地球は生命の営みを終えて再び眠りにつく、というのはどういう意味だろうか。生物が絶滅していることから、生命の営みとは機械も入るのかもしれない。また再びとはどういう意味だろう。かつて眠りについた、という意味なら一度地球は終わっていることになる。ではチトたちの先祖はどこから来たのだろう。地球以外の場所なのだろうか。

また最上階はなぜ観測していないのだろうか。最上階の機能は停止しないとの意味でもある。

エリンギが生物由来にしろ機械由来にしろ知的生命体であることは疑いがない。問題はどこから来たのかである。寺院の看板から、少なくとも西暦2828年には伝説上の存在になっていたようだ。

普通に考えれば、古代文明の絶滅のときにエリンギが活躍したと思われる。それから地球は眠りにつき、その後人類は復活した。神と崇められているエリンギとその親玉?が復活に手を貸しているようだ。

古代文明絶滅の際に人類は地球以外の場所にもいたと考えられる。実際、6巻に宇宙基地があることが示唆されている。またロケットを使って脱出した記述もある。

漫画でチトが手を握ってくるが、アニメでは二人で手を取り合うようになっている。またセリフが多く追加されている。エリンギが原潜のロックされていた扉を開けてくれたため、缶詰をゲットできたことが5巻で分かる。

最初二人と別れることを拒否したぬこが、納得する理由がどこにあるのかは不明である。